自然の浄化力は無限ではない
人間も含めて生物は、ある意味ではかたくななまでに保守的な一面をもっています。
新しい科学物質をすぐに分解・還元してくれるような新生物は出現しません。
たとえば、今まで科学者や技術者は一生懸命この地球上で、水の中、土の中、空気の中に生活している生物で、石油化学製品のビニールを食べて分解・還元してくれる生き物はいないかと探しています。
しかし、ビニール製品をすぐ分解するような生物は見つかりません。
それが今日までの実情です。
それぞれの土・水・大気などの汚染に対する浄化能力を十分科学的に研究・把握しないで、何とかなるであろうという自然の強さ・浄化力などへの過大の期待・甘えがあるのです。
「自然は無尽蔵に私たちに必要な物を生産してくれ、逆に私たちの邪魔物・廃棄物はどこに捨てても、あっという問に分解・還元してくれる」
・・・このような、まだ人間活動がきわめて低い段階であった石器時代と同じような考え方で現代の都市や産業立地に対応しているところに、さまざまな深刻な環境の汚染・荒廃問題の原点がひそんでいるのです。